清涼飲料「桃の天然水」のCM出演者に次々と不幸が起きる――そんな「桃の天然水CMの呪い」という都市伝説をご存知でしょうか。華原朋美さんや浜崎あゆみさんといった人気タレントに相次いだトラブルから生まれた噂話ですが、果たして本当に“呪い”など存在するのでしょうか?
この記事では桃の天然水CMの呪いとは何かを噂話の内容とともに解説し、なぜそんな噂が広まったのか原因を考察します。
結論を先に述べると、桃の天然水CMの「呪い」は単なる偶然のこじつけであり、結果を都合よく解釈した都市伝説にすぎません。日常に潜む噂話の真相を紐解きながら、人生における幸不幸の捉え方についても触れていきます。
桃の天然水CMの呪いとは?
「桃の天然水CMの呪い」とは、桃の天然水のテレビCMに出演したタレントがその後立て続けに不運に見舞われるというネット上の都市伝説です。
実際に、1998年以降、この飲料のCMに起用された女性タレントに破局・病気・不祥事などの災難が相次いだため、一部で「呪いのジュース」とまで囁かれるようになりました。
たとえば、華原朋美さんはCM出演翌年に恋人だった小室哲哉さんと破局し精神的に不安定となり、ローラさんもCM後に父親の逮捕スキャンダルに見舞われています。
こうした出来事が重なった結果、桃の天然水CMにまつわる不穏な噂がいつしか定着したのです。
桃の天然水CMの噂話まとめ
では、実際にどのような不幸が起きたとされているのでしょうか。ここでは桃の天然水CMの「呪い」として語られる主な事例を5つ紹介します。
| 出演者(年) | 出来事 | 参照 |
|---|---|---|
| 華原朋美(1998年) | 小室哲哉との破局が報じられ、その後体調を崩し休養。 | excite.co.jp |
| 浜崎あゆみ(1999年) | 突発性内耳障害を発症し左耳の聴力を喪失。 | chisou-media.jp, ja.wikinews.org |
| 吉井怜(2000年) | 急性骨髄性白血病を発症し、骨髄移植で回復。 | sponichi.co.jp |
| 神戸みゆき(2000年) | 2008年に心不全で急逝。享年24。 | chisou-media.jp, sponichi.co.jp |
| ローラ(2013年) | 翌年、父親が詐欺容疑で逮捕。本人の活動にも影響。 | excite.co.jp |
以上が噂話として語られている主な内容です。他にも村田洋子さん(CM後に所属事務所を一時解雇)や松浦亜弥さん(楽曲提供のみですが人気絶頂期に熱愛発覚や体調不良)などの例が挙げられますが、CM出演後にたまたま不幸な出来事が重なったに過ぎないように見えます。
桃の天然水CMが呪われているのはなぜ?
桃の天然水CMが「呪われている」と言われる背景には、立て続けに起きた偶然の不運を人々が因果関係のある出来事と捉えてしまう心理があると考えられます。
ここでは、その原因を大きく二つの視点から考察します。
原因1偶然の重なりに人は因果を見出しがちである
有名人に起きた出来事はニュースになりやすいため、人々の記憶に残ります。桃の天然水のCM出演者に関してたまたま短期間に不幸が続いたため、「商品のCMに原因があるのでは?」と考えたくなる心理が働いたのでしょう。
実際、桃の天然水のCM出演者全員に不幸が起きているわけではありません。それでも悪い出来事だけに注目すれば「呪い」と感じてしまうのは、人間の確認バイアス(思い込みによる事象の取捨選択)の典型と言えます。
原因2 都市伝説としておもしろい
「出演すると不幸になるCM」という刺激的な噂は、怖いもの見たさで語られやすい傾向があります。
桃の天然水は1990年代後半に大ヒットした飲料であり、有名タレントの起用も相まって話題性が高い商品でした。世間に浸透した商品ブランドと芸能スキャンダルが結び付けば、都市伝説としてメディアやネットで取り上げられやすくなります。
事実、この噂は長年ネット上で語られ続け、「桃の天然水の呪い」というフレーズ自体が一人歩きしている面もあります。話のインパクトの強さが、あたかも真実味があるかのように錯覚させている部分もあるでしょう。
人生は幸せと不幸を繰り返す
華やかな成功の後に挫折や不運が訪れるのは珍しいことではなく、むしろ人生では幸運と不運が周期的に巡るものです。桃の天然水のCMに出演したタレントたちも、CM起用時は人気絶頂期や飛躍のタイミングでした。その後しばらくして訪れた不調やトラブルは、「上り調子の後には下り坂もある」というごく当たり前の現象とも言えるでしょう。
実際、噂に挙がった人物たちも不幸が永遠に続いたわけではありません。例えば、急病に倒れた吉井怜さんは治療を経て芸能活動に復帰し、現在では俳優の山崎樹範さんと結婚して幸せな家庭を築いています。
華原朋美さんも長い休養期間を乗り越えて再びテレビに出演する機会が増え、浜崎あゆみさんも左耳のハンデを抱えながら第一線の歌手として活躍を続けています。このように、一時的な不運の後で再び順調な人生を歩み出した例は数多く、むしろ誰の人生にも浮き沈みがあることを示しています。
要するに、「桃の天然水CMに出演すると不幸になる」という見方自体が、ハイライトとなる不幸な事象だけを切り取った偏った解釈なのです。人生全体の流れを見れば、幸せと不幸は表裏一体であり、個々の出来事に過度な意味を見出す必要はないでしょう。
まとめ:結果から都合よく解釈しているだけ
桃の天然水CMの呪いと呼ばれる噂話についてまとめると、複数の出演タレントに不運が重なった事実はあるものの、それらを結び付けて「呪い」と断定する根拠はありません。確かに華原朋美さんの破局や神戸みゆきさんの早すぎる死など、一見すると陰鬱な因縁を感じさせる出来事が起きました。
しかし一方で、特に大きな不幸もなく芸能生活を続けている出演者も存在します。つまり、この都市伝説は起きた結果を後付けで都合よく解釈しているだけなのです。
冷静に考えれば、桃の天然水という飲み物自体に人を不幸にする力などあるはずもなく、「呪われたCM」は話の面白さから広まった都市伝説に過ぎないと言えます。実際、ネット上でも「こじつけだ」「単なる偶然だ」と指摘する声が多く、噂を信じるかどうかは各人の判断に委ねられています。
都市伝説はエンターテインメントとして楽しむものにとどめ、事実と噂を混同しない冷静さを持つことが大切でしょう。結果を恐れるあまり縁起を担ぐよりも、前向きに日々を過ごすほうが建設的であるという教訓とともに、この“呪い”の噂話を締めくくりたいと思います。
参考文献
- エキサイトニュース「桃の天然水『呪い』でついに販売休止へ 製造会社JTが飲料事業を撤退」(2015年2月5日)【取得日:2025-09-22】 – CM出演者に次々と不幸が起きたことから「桃の天然水の呪い」としてネットで語られた経緯を紹介excite.co.jp
- スポーツニッポン新聞社「3代目セーラームーン神戸みゆきさん死去」(2008年6月21日)【取得日:2025-09-22】 – 女優・神戸みゆきさんが24歳で急逝した事実を報道。不幸が都市伝説に拍車をかけた例として引用sponichi.co.jp
- スポーツニッポン新聞社「吉井怜が明かした壮絶闘病 18歳で白血病…」(2022年12月28日)【取得日:2025-09-22】 – 吉井怜さんが2000年に白血病を発症し治療を経て復帰したエピソード。桃の天然水CM出演後の不運として語られるが、その後克服しているsponichi.co.jp
- ウィキニュース「ヴォーカリスト・浜崎あゆみさん、左耳に難聴を抱える」(2008年1月7日)【取得日:2025-09-22】 – 浜崎あゆみさんが左耳の突発性内耳障害により聴力を失ったことを報じた記事。CM出演後の出来事として噂の根拠にja.wikinews.org
- アニヲタWiki(仮)「桃の天然水」(最終更新2025年4月13日)【取得日:2025-09-22】 – 桃の天然水にまつわる都市伝説を解説。噂される不幸の一覧と、「こじつけに過ぎない」「他の出演者には何も起きていない」といった指摘を掲載w.atwiki.jp
- ちそうメディア「桃の天然水の呪いとは?…出演タレントの不幸と現在を調査」(2023年11月23日更新)【取得日:2025-09-22】 – 都市伝説とされる出来事の詳細とともに、桃の天然水ブランド終息の事実や吉井怜さんの結婚など現在の状況にも言及chisou-media.jpchisou-media.jp


コメント